自然派ワインはブームになる?

最終更新日:2019/01/24  

自然派ワイン

 

ここ数年でじわじわと存在を増してきている「自然派ワイン」。

 

「ナチュラルワイン」や「ヴァンナチュール」とも呼ばれています。

 

いわゆる、ケミカルフリーで育てた健全なブドウを使い、培養酵母や亜硫酸の使用を控えるなど自然な醸造を行ったワインです。

(自然派ワインの定義に関しては→こちら

 

いまだアンチ派もいますが、自然派ワインを扱うお店も増えていてファンは着実に増えています。

 

私は、この自然派ワインの市場は今後確実に拡大すると考えています。

 

大きなブームにまでなるかは断言できませんが、今すでにその兆しは感じています。

 

 

静かなブームの兆し!自然派ワインがファンを増やし続ける理由

 

ナチュラルワイン

 

自然派ワインの健康的なイメージとやさしく飲みやすい味わいは、農薬の付いたブドウで人工的な醸造を行ったワインにはない魅力があります。

 

価格も高すぎることはありません。

 

それでは、現在の自然派ワインの盛り上がりの理由を5つの視点から見てみましょう。

 

 

健康ブーム

 

健康 ブーム

 

言うまでもなく、「健康」はいまブームと言えるほど誰もが関心を示すテーマですよね。

 

高齢化が進む中でその傾向は年々強まり、巷では健康関連の情報で溢れかえっています。

 

そんな中、「オーガニック」や「無添加」といったキーワードと結びつく体に優しいワインの需要が増すのは当然とも言えます。

 

そして、自然派ワインは実際に飲んだ後に、頭痛がしなかったり、悪酔いしづらいと主張するファンも多いです。

 

 

ワインスタイルの世界的なフレッシュ化・ライト化

 

和食

 

世界的な健康ブームや和食ブームとともに、食事の味付けが軽くなってきていると言われています。

 

それとともに、ワイン市場でも濃厚なコッテリしたワインよりも、フレッシュでライトな印象のワインの需要が増えています。

 

ワインは食中酒と言われるように、基本的に料理と合わせて飲むお酒です。

 

料理が軽くなれば、飲むワインも軽くなるのは当然です。

 

現に、フレッシュですっきりしたロゼワインの生産が世界的に急増しています。

 

ロゼワイン

 

そして、自然派と言われるワインも、ブドウのエキスを素直に感じるフレッシュで軽やかな印象のものが多いのです。

 

シンプルに素材を味わう料理には、ナチュラルな飾り気のないワインが合うと思いませんか?

 

 

生産者の個性が表れたクラフトブーム

 

クラフトビール

 

いまクラフトビール市場も盛り上がりを見せています。

 

クラフトビールを扱うお店も急増中で、例えば、いま都内で新たにオープンする商業施設のテナントには必ずと言っていいほどクラフトビールを売りにする店舗が入っています。

 

クラフトビールの魅力は何といっても造り手の個性が全面に感じられるところ。

 

色、風味、味わい、パッケージデザイン、どれもが個性的で飲み手をワクワクさせてくれます。

 

そして、それに共通するのが、自然派ワインです。

 

自然派ワインの生産者は、誰もが強いこだわりと情熱を持っています。

 

そして、その個性が全面に出ています。

 

AOCに縛られない珍しいブドウ品種を使ったり、自然酵母で発酵させることで、その生産者にしか表現できない個性的な味わいを目指します。

 

ラベルも個性的です。

 

通常のワインは、ラベルを見れば、そのワインがどこで造られて、どんなブドウ品種を使っているのかがわかります。

 

しかし、自然派ワインは、ラベルを見ただけではわからないものが多いのです。

 

デザインも斬新なものが多く、生産者の個性が素直に伝わってきます。

 

市場が成熟してくると、人はどこにでもあるものよりも、他にはない個性を求める。

 

ワインに関してもそれが当てはまるのではないでしょうか。

 

 

品質の向上

 

ワイン 品質

 

自然派ワインのクオリティは確実に向上しています。

 

以前は、ビオ臭と呼ばれる特有の不快な匂いを感じるワインが多く、自然派ワインを「個性的だけど美味しくない」と考える評論家や業界関係者が多かったのは事実です。

 

もちろん、今もまだまだ成長過程であり、生産者によって品質にばらつきがあります。

 

しかし、技術は確実に進歩しています。

 

心から美味しいと思えるワインが本当に多いです。

 

そして、これからも間違いなく品質は向上し続けるでしょう。

 

 

生産者の増加

 

ワイン 生産者

 

飲み手が増えれば、とうぜん自然派を志す造り手も増えます。

 

小規模生産者だけでなく、大手もすでに動き始めています。

 

この流れは全世界に広がっていて、今後私たちがよりナチュラルなワインを手にする機会が増えるのは間違いありません。

 

 

まずは先入観なしに飲んでみよう

 

 

「自然」だ「ナチュラル」だと多くの宣伝文句で目にしていて、あなたはそういった言葉にうんざりしているかもしれません。

 

もちろんただブームにのっただけの低品質なワインもあるでしょう。

 

アンチ派の人は、だいたいそういった過去のトラウマが原因です。

 

でもそれで避けるのはもったいないです。

 

まずは先入観なしに試してみてください。

 

きっと、生産者の熱い情熱や覚悟を感じる魅力的なワインに出会えるはずです。

 

飾り気がなく飲んで素直に美味しいと感じるワイン。

 

それが自然派ワインだと思います。

 

ブームを超えてこういったワインが当たり前に手に入るようになってほしいですね。

 

P.S.

 

自然派ワインに興味をもったあなたにおすすめな本がこちら。

 

 

この本では自然派ワイン(本書ではナチュラルワインと呼んでいます)の基礎知識や生産者、ナチュラルワインが飲めるお店などためになる情報が満載です。