ヴィオニエ

最終更新日:2021/03/09  

 

この記事では、ヴィオニエ (Viognier)の特徴や生産地、料理との相性など知っているとより楽しめる情報を解説します。

 

ヴィオニエとはどんなブドウ?

 

ヴィオニエ(Viognier)は、フランス・ローヌ地方北部で古くから栽培されている白ブドウ品種です。

 

 

歴史

南フランスの北部ローヌが原産という説が有力です。

最初の記録は、1781年にコート・ロティについて書かれた文献で確認されています。

一時は絶滅の危機に瀕するほど栽培が落ち込んだブドウ品種でしたが (14ha, 1968年)、1980年代中頃から人気とともに急激に栽培が広がりました。

北ローヌだけでなく、南ローヌやラングドック・ルーション地方でも栽培は進み、さらにフランス国外にも広がっています。

現在のフランス国内でのヴィオニエの栽培面積は6,400ha以上に上ります。

 

 

DNA

モンドゥーズ・ブランシュ(Mondeuse Blanche)というブドウと親子関係にあることが明らかにされています。

これによってヴィオニエは、同じ北ローヌ原産のシラーと片親が同じ兄弟か祖父母の関係に当たるとされています。

イタリアの土着品種ネッビオーロとも遺伝子的に関係が近いことも分かっています。

 

 

ブドウの特性

粒は小粒で果皮は厚く、アロマチックなブドウ品種です。

しかし、収量を厳しく制限し十分なブドウの成熟が得られないと香味を欠きやすい難しい品種でもあります。

糖度が上がりやすく、酸は低くなる性質があります。

酸が低いため長期熟成にはあまり向かないブドウ品種です。

 

 

ヴィオニエのワインの特徴

 

ヴィオニエは、ボディのしっかりした濃厚なワインを生みます。

 

ヴィオニエの外観

・やや濃いめのイエロー

・色調が濃くなりやすい

・粘性は強め

 

 

ヴィオニエは主に温暖な産地で栽培され凝縮度も高いため、多くは濃い色調です。

 

酸の低い傾向があり、熟成による色調の変化も早めに表れます。

 

ややオイリーな強めの粘性が多くのワインに見られます。

 

 

ヴィオニエの香り

・リンゴ、洋ナシ、アプリコット、桃、ライチ

・花 (ジャスミン、白いユリ、キンモクセイ)

・白胡椒 ・ハチミツ

 

ヴィオニエは、凝縮した甘いフルーツ香に花のニュアンスが強く感じられるブドウ品種です。

 

特に、北ローヌの上質なヴィオニエには、白いユリやライチのような香りが明確に感じられ、とてもアロマチックです。

 

さらに、樽熟成によるスパイスやヴァニラ、酸化熟成によってハチミツのニュアンスも重なります。

 

 

ヴィオニエの味わい

・高めのアルコールと凝縮した果実味

・滑らかな質感

・穏やかな酸味

・ほのかな苦味

 

ヴィオニエは、ボディのしっかりした厚みのある味わいが特徴です。

 

飲み口は滑らかで、甘い香りと豊かな果実味が優しく膨らみ、後半はアルコールの辛さと苦味が味わいをドライに引き締めます。

 

口の中でも甘いフルーツやお花のフレーバーが豊かに広がります。

 

 

ヴィオニエの生産地とスタイルの特徴

 

ヴィオニエは現在世界の広い範囲で栽培されており、フランスを中心に、アメリカ・カリフォルニア州、オーストラリアなどで多く栽培されています。

 

これら産地の中で最もヴィオニエの香味を楽しめる産地がフランス・ローヌ北部です。

 

 

フランス・ローヌ北部

 

ローヌ北部はヴィオニエの最高峰の産地ですが、その中でヴィオニエ100%で造るAOCワインは以下の2つに限られます。

 

Condrieu (コンドリュー) 197 ha※

Château Grillet (シャトーグリエ)  3.5 ha

 ※2017年実績の栽培面積

 

これらのワインは、山の斜面に植えられ、十分な日照と収量制限によって極めて成熟度が高く香味成分豊かなかなブドウから造られます。

 

生産量も限られ高価ですが、ヴィオニエの魅力を感じたいならぜひ味わってもらいたいワインです。

 

香りには凝縮した黄色い果実やお花の香りが強く感じられ、さらにスパイスや樽のニュアンスも重なり、香りだけで幸せな気分に浸れます。

 

ただし、香りのポテンシャルが高い分、その魅力が完全に表れるには中期的な熟成が必要なワインもあります。

 

味わいは緻密で濃厚、膨らみがあり、華やかなフレーバーが口中にたっぷりと広がります

 

このようにヴィオニエはアロマティックで大変魅力的なブドウ品種である一方で、生産性が低く、上記のような品質のワインを造るにはテロワールや生産者の大変な苦労が必要になります。

 

それゆえ、ローヌ北部以外の地域で造られるヴィオニエワインは、やや高貴さに劣るカジュアルテイストなワインが多いのも事実です。

 

また、ヴィオニエは世界的に見るとブレンド用の品種として使われることも多いです。

 

ブレンドの場合、ルーサンヌ、マルサンヌ、グルナッシュ・ブランなどの南仏系のブドウやシャルドネ、あるいは黒ブドウのシラーとブレンドされることもあります。

 

しかし、このようなカジュアルタイプのヴィオニエも、フレッシュでたっぷりとした味わいで親しみやすさがあり、これはこれでまた違った魅力が感じられます。

 

 

ヴィオニエに合う料理 (相性・食べ合わせ)

 

ヴィオニエのワインは、豊かな芳香とヴォリュームのある厚みのある味わいが特徴です。

 

それゆえ、繊細な香味の料理にはあまり向かない品種と言えます。

 

ヴィオニエには、海老やホタテなど魚介類のクリーム系ソースや肉料理にも合わせられる強さがあります。

 

例えば、豚肉の腸詰、パテ、生ハムなどの肉前菜や豚や鶏肉を使った中華料理、上質なヴィオニエにはフォアグラとの相性もおすすめです。

 

また、ヴィオニエは香りに華やかさがあるため、香草やスパイス、トロピカルフルーツなどが効いたエスニック料理や中華料理にもよく合います。

 

さらに、一級品のヴィオニエの場合、逆にワインを主役にして軽いつまみワイン単体で、その溢れんばかりの香味を堪能するのも良いでしょう。

 

 

参考

・Wine Grapes: A Complete Guide to 1,368 Vine Varieties, Including Their Origins and Flavours  / Jancis Robinson

・The Oxford Companion to Wine / Jancis Robinson

・日本ソムリエ協会教本 2020

 

 

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