ピノ・グリ (ピノ・グリージョ)

最終更新日:2021/01/28  

 

この記事では、ピノ・グリ (Pinot Gris)の特徴や生産地、料理との相性など知っているとより楽しめる情報を解説します。

 

 

ピノ・グリ (ピノ・グリージョ) とはどんなブドウ?

 

起源

ピノ・グリの起源は明確には分かっていませんが、ブルゴーニュ地方ドイツの南西部という説が有力です。

ピノ・グリは、ピノ・ノワールの果皮がピンクに変色した突然変異種です。

信頼性の高い記録によれば、ピノ・グリの存在は18世紀初期にフランスとドイツで確認されています。

19世紀には、イタリアのピエモンテ州やヴァッレ・ダオスタ州に伝わり、そこから北イタリアを中心に栽培が広がりました。

21世紀に入るとイタリア北東部で主に生産されるライトなスタイルのピノ・グリワインが国際的に人気を集め、現在はヨーロッパ以外でも栽培が広がっています。

 

 

別名

ピノ・グリは国や地域によって違う呼び名が使われることあります。例えば以下のような別名があります。

 

Pinot Beurot(ピノ・ブーロ)】ブルゴーニュ地方

Malvoisie(マルヴォワジー)】ロワール地方、サヴォワ地方、スイス

Grauburgunder(グラウブルグンダー) / Ruländer(ルーレンダー)】ドイツ

Grauer Burgunder(グラウアー・ブルグンダー)】オーストリアなど

Pinot Grigio(ピノ・グリージョ)】イタリア、ニューワールド

 

 

ブドウの特性

ピノ・グリは果皮の赤いグリブドウですが、その色合いは薄いピンクパープルから黒ブドウに近いほど濃いものもあります。

早熟タイプで糖度が上がりやすく酸はやや低い傾向があります。

 

 

ピノ・グリのワインの特徴

 

ピノ・グリのワインは、豊かな果実味と力強い余韻が特徴です。

 

 

ピノ・グリの外観

・濃いイエロー

・粘性は強め

 

多くのピノ・グリワインは濃いめの色調で黄色みが強く表れます。

 

 

ピノ・グリの香り

・リンゴの蜜、アプリコット、黄桃、マンゴー、パイナップル、洋ナシ

・キンモクセイ ・アカシアハチミツ

 

黄色を連想させる甘い果実と花の香りが際立って感じられます。

 

 

ピノ・グリの味わい

・アルコールはやや高め

・凝縮感のある豊かな果実味

・酸味は中程度

・フェノールによるほろ苦味と力強い余韻

 

基本的に凝縮感の強いトロリとした触感のワインが多く、ほんのり甘みを感じるほど豊かな果実味があります。

 

しかし一方で、フレッシュな酸味と軽さがあるカジュアルなスタイルのワインもあります。

 

ただどちらにも共通しているのが、後半に豊かな果実味を引き締める苦味やタンニンが感じられる点です。

 

 

ピノ・グリの生産地とスタイルの特徴

 

ピノ・グリは、世界中で栽培が進んでいるブドウ品種でもあります。

 

 

フランス・アルザス地方

 

ピノ・グリはブルゴーニュを起源とする説もありますが、現在ブルゴーニュではほとんど栽培されていません。

フランスにおける現在のピノ・グリの本拠地はアルザス地方です。

アルザス地方でピノ・グリは高貴品種と見なされ、その品質は他の産地の上を行きます。

ワインのスタイルは、熟した黄色果実系の凝縮した香味とヴォリュームのある味わいが特徴です。

香りの華やかさは他のアルザス品種より穏やかですが、味わいの厚みと力強さがより感じられます。

甘みの強いワインもありますが、アルザス品種の中ではドライなワインが多い傾向があります。

 

 

ドイツ

 

上述の通り、ピノ・グリの栽培でフランスと並んで歴史のある産地です。

ドイツで栽培される白ブドウの中で、ピノ・グリは3番目に多く栽培されています。

ドイツ内での主産地は、ライン川に沿って広がるラインヘッセン、ファルツ、バーデンです。

ワインの味わいは、アルザス産よりもアルコールのヴォリュームが穏やかで優しいスタイルが多くなります。

 

 

イタリア

 

イタリアではピノ・グリージョ(Pinot Grigio)と呼ばれ、主に北イタリアの広い範囲で栽培されています。

イタリアのピノ・グリージョは、アルザスのスタイルとは大きく異なります。

収穫を早めに行いフレッシュな酸を残した軽やかでカジュアルなワインが多く見られます。

このようなワインは、フレッシュで親しみやすく価格も安いため、世界的にも高い人気があります。

もちろん、イタリアでもアルザススタイルの高貴なワインや、中にはブドウの果醪と発酵して造られるオレンジワインも造られています。

 

 

ニューワールド

 

ヨーロッパ以外では、アメリカ(カリフォルニア州・オレゴン州・ワシントン州)やオーストラリア、ニュージーランドで多く栽培され、近年も増加傾向にあります。

これらの国では「ピノ・グリ」とも「ピノ・グリージョ」とも呼ばれます。

ワインのスタイルも様々で、アルザス産のようなリッチで重たいスタイルもあれば、生き生きとした酸味のライトなスタイルもあります。特に後者のスタイルが「ピノ・グリージョ」と呼ばれ、一般的に広く知られている印象があります。

 

 

ピノ・グリに合う料理 (相性・食べ合わせ)

 

上述の通り、ピノ・グリのワインはスタイルに差がありますが、味わいに厚みがあり、果皮からくるフェノール類によって触感や後味に力強さが感じられます。

 

それゆえ、肉料理にも合わせられる強さがあり、特に鶏肉や豚肉を使った料理はおすすめです。

 

野菜と煮込んだシュークルートや甘酢あんの酢豚などにもよく合います。

 

よりフレッシュなピノ・グリージョには、トマトクリームソースやベーコンを入れたペペロンチーノなどのパスタもおすすめです。

 

魚介類なら海老やホタテなどがおすすめで、赤身や青魚などは臭みが際立ちやすく、白身魚だとワインに負けてしまう傾向があります。

 

そういう意味でも、なるべく白身の肉を使った料理に合わるのが無難なブドウ品種と言えます。

 

 

参照

・Wine Grapes: A Complete Guide to 1,368 Vine Varieties, Including Their Origins and Flavours / Jancis Robinson

・日本ソムリエ協会教本 2020

・The World Atlas of Wine 8th Edition/Hugh Johnson&Jancis Robinson

 

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