最終更新日:2021/04/05
オーガニックは、化学肥料や除草剤、殺菌剤、殺虫剤などの化学農薬を全く使用しない有機農法です。フランス語の「ビオロジック(Biologique)農法」とも呼ばれます。
オーガニック農法を行う生産者は、農薬を使わずにブドウの病害や害虫を防ぐため、作業には通常以上の様々な工夫や手間が必要になります。
堆肥や緑肥を使った豊かな土壌形成や、徹底したキャノピーマネジメント(樹冠管理)による病害予防や、畑全体の生態系管理による害虫対策など化学肥料や農薬を使わないための様々な作業が行われています。
ただし、オーガニック農法では、ボルドー液など昔から使用されていた一部農薬は許可されています。
現在、ワインに「オーガニック」とラベル表示するには第三者機関の認証が必要です。
有機認証制度にはEUや国レベルのものから民間団体独自のものまで存在します。各認証によって基準は異なり、生産者によってはより基準の厳しい認証を併せて取得する場合もあります。
現在ワインに多く表示されている有機認証には以下のようなものがあります。
2012年EUに、それまで原料ブドウのみだった有機認証がワインにも適用される新規定が制定されました。
この新規定によってブドウ栽培に加えてワインの醸造面にも新たに基準が設けられています。
例えば、ワインに含まれる総亜硫酸の基準が、通常のEUの規定よりも30-50mg低く設定されています。
現在、EU圏内で生産されたワインでオーガニックを名乗るには、この認証を取得し上記ユーロリーフマークの表示が義務付けられています。
EU有機認証を取得するには、有機農法に転換後3年以上の実践が必要です。
1985年から続くフランス農務省による有機認証制度です。
EU圏内で生産され、オーガニック材料を95%以上含むなどの条件があります。
フランス最大と言われる民間のオーガニック認証団体による制度です。
EU有機認証に比べて亜硫酸量などの諸条件がより厳しく設定されています。
認証を取得するには、団体規定の条件を5年以上実践する必要があります。
アメリカ農務省の全米オーガニックプログラム(NOP)制度による有機認証です。
アメリカで生産された農産物でオーガニックを名乗るにはUSDA認証の取得が必要です。
オーガニックの表示には以下の3種類があります。
1. 100%Organic:100%オーガニック原料の製品
2.Organic:95%以上オーガニック原料の製品
3.Made with Organic ingredients:70%以上オーガニック原料の製品
USDAマークを記すには1、2のどちらかである必要があります。
1991年に設立されてたフランスを拠点とする世界最大規模の有機認証機関です。
第三者認証機関としてEU有機認証やUSDA認証、有機JASなどの認証を行うほか、団体独自の有機認証も存在します。