マスカット・ベーリーA

最終更新日:2021/03/09  

 

この記事では、マスカット・ベーリーAの特徴や生産地、料理との相性など知っているとより楽しめる情報を解説します。

 

マスカット・ベーリーAとはどんなブドウ?

 

歴史

マスカット・ベーリーAは、新潟県高田(現:上越市)で川上善兵衛によって開発された黒ブドウ品種です。

川上善兵衛は1890年に上越高田に岩の原葡萄園を開園し、海外から苗木を輸入し栽培を始めました。

1922年からはその土地に合ったブドウ品種を求めて品種改良を行い、苦労の末、1927年にマスカット・ベーリーAの誕生に至りました。

1936年には、寿屋(現:サントリー)が山梨県の寿屋山梨農場(現:サントリー登美の丘ワイナリー)で川上善兵衛とともにマスカット・ベーリーAの植え付け、ワイン造りを始めます。

そして第二次世界大戦後、山梨県を中心に一般農家にも広がりました。

2013年にはマスカット・ベーリーAが「国際ぶどう・ぶどう酒機構(O.I.V.)」のリストに登録され、EUに輸入する際に品種名をボトルに記載できるようになりました。

 

 

DNA

マスカット・ベーリーAは、アメリカ系品種「ベーリー(Bailey)」とヨーロッパ系品種「マスカット・ハンブルグ(Muscat Hamburg)」 の交配によって生まれました。

マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A) の名前は、親品種のそれぞれの名前から取って付けられています。

名前の綴りは「Berry(ベリー)」ではなく「Bailley」のため、読み方は「ベーリー」か「ベイリー」が主流となっています。

 

 

ブドウの特性

房も粒も大きく果皮も厚いブドウで、生食用としても生産されています。

栽培の仕立ては日本で広く行われている棚仕立てが主流です。

マスカット・ベーリーAは、イチゴやパイナップル、ラズベリーなどに含まれる香り成分「フラネオール」が他のブドウ品種よりも極めて多いことがシャトーメルシャンの研究によって明らかにされています。フラネオールは、特に成熟期後期に著しく蓄積するとされています。

 

 

マスカット・ベーリーAのワインの特徴

 

マスカット・ベーリーAのワインは軽やかでチャーミングな香味が特徴です。

 

マスカット・ベーリーAの外観

・明るいルビー

 

基本的に淡く赤みの強い色調です。

 

 

マスカット・ベーリーAの香り

・イチゴ、チェリー、ラズベリー、フランボワーズ

・イチゴキャンディ、ジャム ・梅

・甘草、シナモン ・根菜

 

赤果実や梅のような軽やかなフルーツに、フラネオール由来のイチゴキャンディのような甘い香りが感じられます。

また、ワインによって甘苦系スパイスや根菜、樽のニュアンスなどが重なります。

 

 

マスカット・ベーリーAの味わい

・アルコールや果実味は穏やか

・酸味も比較的穏やかでフレッシュかつ優しい味わい

・タンニンも少なくスムースなテクスチャ

・甘いベリーフレーバーとホロ苦い余韻

 

ライトボディよりのコンパクトでバランスの取れた味わいです。

甘いベリーのフレーバーとジューシーな飲み口が多くのワインで感じられます。

 

 

マスカット・ベーリーAの生産地とスタイルの特徴

 

マスカット・ベーリーAは、ワイン原料用の国産生ブドウで全体の14%を占め甲州種に次ぐ生産量で、赤ワイン用ブドウでは日本で最も栽培されているブドウ品種です。

 

マスカット・ベーリーAの主産地は山梨県で全体の6割(1,842 t)が生産されています。次いで山形県(422 t)、長野県(251 t)と続きます。

 

山梨県では甲州(48%)とマスカット・ベーリーA(27%)で75%を占め、県内の多くのワイナリーがこの2品種を使ったワインを製造しています。

 

ワインのスタイルは、甘い香りのチャーミングなタイプから、ナチュラルで自然派寄りの造り、樽熟成や他品種とブレンドしたリッチなタイプなど多様です。品種の個性を引き出すための生産者のこだわりやアイディアが感じられるワインが多く生産されています。

 

 

マスカット・ベーリーAに合う料理 (相性・食べ合わせ)

 

マスカット・ベーリーAは、軽やかで繊細な味わいのワインが多いため重すぎない料理がおすすめです。

 

肉なら鶏肉か豚肉の軽めの味付けで、特に醤油系のソースと相性が良いです。

 

例えば、肉じゃが、照り焼き、焼き鳥、さらにきんぴらごぼうなど根菜との相性もおすすめです。

 

また、ワインの軽やかで優しい味わいはマグロなど赤身の魚にもよくマッチします。

 

さらに、餃子やシュウマイなどの点心やトマトソースのパスタなどにも合います。

 

さすが日本の品種だけあり、マスカット・ベーリーAは日本の食卓に大変よく馴染みます。

 

 

参考

・日本ソムリエ協会教本 2020

・岩の原葡萄園HP(https://www.iwanohara.sgn.ne.jp/about/index.html)

・サントリー登美の丘ワイナリーHP(https://www.suntory.co.jp/wine/nihon/wine-cellar/tominooka.html)

・はじめにブドウありき~品種特徴香に注目した香気成分のコントロール/小林弘憲(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/111/6/111_381/_pdf/-char/ja)

・国内製造ワインの概況(平成30年度調査分)/国税庁

 

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