最終更新日:2021/03/09
この記事では、コルテーゼ (Cortese)の特徴や生産地、料理との相性など知っているとより楽しめる情報を解説します。
コルテーゼは、イタリア・ピエモンテ州で古くから栽培されている白ブドウ品種です。
17世紀初期には栽培が確認されています。
ガヴィは1960~70年代に世界的に流行し、生産量が急増、品質が落ちた時期もありましたが、近年は品質も回復、向上しています。
コルテーゼのワインは、明るい色調で若飲みのシンプルな味わいになりやすいですが、ピエモンテ州のガヴィ(Gavi)DOCGは最上級のコルテーゼワインとして世界的に知られています。
コルテーゼのワインは軽やかで爽やかな香味が特徴です。
色調は基本的に淡い傾向があります。
・レモン、グレープフルーツ
・フレッシュハーブ ・白い花
・アーモンド ・石灰、火打石
・はちみつ
香りはそれほど強くない品種ですが、柑橘フルーツやハーブ、鉱物系の爽やかな香りが感じられます。
・アルコールは低めだが程よい厚みがある
・爽やかな強めの酸味
・ナッティで苦味を伴うドライな後味
軽やかながら程よい厚みやしなやかな質感をもつワインが多く見られます。
穏やかな果実味のドライでミネラリーな味わいで、心地よい苦味が余韻をさらに引き締めます。
コルテーゼはほぼイタリア北西部のピエモンテ州周辺に集中しています。特に、ピエモンテ州南東のガヴィ村周辺では上質なコルテーゼワインが生産されています。
ガヴィは、ピエモンテ州南部のアレッサンドリア県を主産地とするコルテーゼ100%で造られる白ワインです。
1998年にDOCGに認定されています。
ガヴィの産地では地中海の影響を受ける温暖な気候とミネラル豊かな土壌から成熟度が高く香味豊かなブドウが育ちます。
ガヴィのワインは、ガヴィの表記に加えて特定の小地域名の付記が可能です。
例えば、ガヴィ・ディ・ガヴィ(Gavi di Gavi)という表記は、ガヴィの広い規定エリアの中でより限定されたガヴィ村エリアのブドウで造られたワインであることを意味します。
そのような表記可能な小地域で有名なものには、ガヴィ(Gavi)、 ノヴィリグレ(Novi Ligure)、セラヴァッレ・スクリヴィア( Serravalle Scrivia)などがあります。
上質なガヴィワインには、柑橘やハーブ、白い花の爽やかなフレーバーにミネラルやハチミツ、ナッツなど複雑なニュアンスがあり、味わいにもより厚みが感じられます。
また、ガヴィには微発泡タイプのフリッツァンテ(Frizzante)や発泡性ワインのスプマンテ(Spumante)も認められています。
コルテーゼの産地はリグーリア州との国境に近く、もとはジェノヴァの魚介料理店で提供するためにコルテーゼが造られていたという話もあります。
それゆえ、魚介類との相性が特に高いブドウ品種です。
魚介料理全般によく合い、刺身など生魚にもおすすめです。
また、ジェノヴェーゼソースのようなハーブやオリーブを使った地中海風の味付けにもよく合います。
海の幸を使った料理にスッキリ系の白ワインを合わせたいときは間違いなくオススメなブドウ品種です。
参考
・日本ソムリエ協会教本 2020
・Wine Grapes: A Complete Guide to 1,368 Vine Varieties, Including Their Origins and Flavours / Jancis Robinson