シャブリとはどんなワイン?産地や味の特徴や料理との相性まで徹底解説!

最終更新日:2019/10/15  

 

世界の数あるワインの中で、「シャブリ」の知名度はトップクラスです。

 

スッキリしていながら複雑で繊細なシャブリの味わいは和食にもよく合い多くの日本人にも好まれています。

 

ワイン選びに迷ったらとりあえずシャブリを選ぶ人も多いはず。

 

でも、シャブリって実際どんなワインかご存知ですか?

 

この記事では、シャブリの産地、味の特徴、料理との相性などシャブリの押さえておきたい基礎知識を徹底解説します。

 

そもそもシャブリとは?産地の特徴を理解しよう!

 

シャブリとは、ワインの産地であるフランス・ブルゴーニュ地方の村の名前です。ブルゴーニュの中心地から北西に約100kmほど離れたヨンヌ県のオーセールという都市近郊に位置します。

 

シャブリの産地の特徴として押さえておきたいポイントは次の2点です。

 

 

冷涼な気候

キンメリジャン土壌

 

 

シャブリは、ブルゴーニュ地方の最北に位置し、少し北に行くとシャンパーニュ地方です。

 

そのため、気候はブルゴーニュの中でも特に冷涼です。

 

また、シャブリの土壌は、キンメリジャン土壌というジュラ紀後期のキンメリッジ階(約1億5000万年前)の小さな牡蠣の化石を含んだ石灰岩と泥灰岩が混ざった土壌が多いのも特徴です。このキンメリジャン土壌は、ワインにミネラル感を与えると言われています。

 

これら産地の特徴によって、シャブリのワインはきれいな酸味とミネラリーな印象を感じる爽やかな味わいに仕上がります。

 

 

シャブリの4つの階層とは?

 

シャブリは、フランス・ブルゴーニュ地方のシャブリ地区のシャルドネ種100%からつくられる白ワインです。

 

これは、AOP(原産地名称保護)というワイン法によって規定されています。

 

さらにAOPによってシャブリは4つの階層に分けられています。

 

 

格の高い順に、

Chablis Grand Cru (シャブリ グラン クリュ)」「Chablis Premier Cru (シャブリ プルミエ クリュ)」「Chablis (シャブリ)」「Petit Chablis (プティ シャブリ)」と表記されます。

 

 

シャブリ・グランクリュ

シャブリ地区の最高峰である特級畑のシャルドネでつくられる白ワインです。シャブリの市街地の東に流れるスラン川を望む南西向きの緩やかな丘陵に位置します。

シャブリ地区には、合計約100ha、7つのグランクリュがあります。生産量は、全体の約2%です。

 

 

シャブリ・プルミエクリュ

シャブリの一級畑のシャルドネでつくられる白ワインです。シャブリには、40のプルミエクリュがあり、スラン川やその支流の両岸に分散しています。

シャブリの畑の中でも南向きで日照に恵まれ、キンメリジャン土壌の畑が選ばれています。生産量は、全体の約14%。

 

 

シャブリ

全体の65%の生産量を占める最も生産量が多いスタンダードなシャブリです。スッキリしていながら程よいコクとミネラルが楽しめる典型的なシャブリの味わいです。

 

 

プティ・シャブリ

シャブリの中で最もカジュアルラインに位置する白ワインです。土壌は、キンメリジャンよりも新しい地層のチトヌス階(ポートランド階)が中心です。

 

 

シャブリワインの味の特徴は?

 

シャブリのブドウ品種であるシャルドネは、特別香りが華やかわけでもなく、逆に個性がないのが個性のブドウ品種です。ブルゴーニュでは多くの場合、このシャルドネの白ワインに木樽の香りを効かせてリッチかつエレガントに仕上げます。

 

しかし、シャブリに関しては別。

 

基本的に木樽のニュアンスのないクリアなスタイルが主流です。

 

それゆえ、シャブリのワインは透明感のある果実味にきれいな酸味とミネラルが全体を引き締めたスッキリした印象の白ワインになります(近年の傾向として酸味がマイルドなタイプも多い)。もちろん、生産者のスタイルや畑の格(グランクリュやプルミエクリュ)、収穫年によって、香りの複雑さや味わいの厚みなどに幅があります。

 

それでは、シャブリの味わいの大まかな特徴を見てみましょう。

 

 

香り

柑橘系や青りんごのようなフルーツ香が主体

 

 ↓(畑の格が上がる)

 

◎パイナップルなどの南国フルーツの甘いニュアンスと火打石のようなミネラル香もより強く感じる。

◎格上の畑でブドウの成熟度が高いワインになるほど木樽のニュアンスを付ける生産者も増えてくる。

 

味わい

酸味とミネラルが特徴のすっきり辛口の白ワイン

 

↓(畑の格が上がる)

 

果実味の厚みミネラル感が強く感じられる。

◎余韻も長く、力強い印象に。

 

 

シャブリは、他のブルゴーニュワインよりもクリアですっきりした味わいのワインです。

 

しかし、上に述べたようにワインの格が上がるにつれてよりミネラリーで厚みがある強靭なワインになります。それゆえ、グランクリュクラスのシャブリは、熟成させてこそ真価が表れると言われています。

 

 

シャブリと料理の相性!生牡蠣とシャブリは昔の話?

 

シャブリの味わいも、かつてのイメージから大きく変化しています。

 

かつては、酸味とミネラルがしっかり効いた白ワインでしたが、現在は果実味はより豊かで酸味もかつてよりマイルドに仕上げたシャブリが主流です。

 

料理も次のようなものとよく合います。

 

野菜

天ぷら、アヒージョ、軽くバターを効かせた炒めなど。

味付けは強すぎず、塩やダシで素材の味わいが引き立つ調理法で。

 

白身魚、甲殻類

刺身やマリネだと生臭さが際立つため、軽く火を入れた方がよく合う。

ダシ系の旨味のあるソースや重すぎないバター系のソースと好相性。

青魚や赤身の魚はあまり合わない。

 

鶏肉、白身の豚肉

ソースは軽めで、シンプルなもの。

ワインが肉に負けないように、シャブリでも格上のものがおすすめ。

 

チーズ

白カビタイプやハード、セミハードタイプのチーズとよく合う。

グラタンもおすすめ。

 

 

シャブリは、全体としてスッキリした味わいとはいえ、クリーミーさやコクも感じるワインです。

 

料理との相性として、さっぱりし過ぎた料理よりは程よくリッチな料理の方が釣り合います。バターや乳製品とも好相性です。

 

 

シャブリは、懐の深い注目すべき産地

 

シャブリは世界のワイン産地の中でも特に魅力的な産地です。

 

一方で、イメージとして他のブルゴーニュワインよりも低く見られがちです。

 

ピュリニ―モンラッシェやムルソーなどの高級ブルゴーニュワインと比べると格下扱いです。

 

しかし、シャブリには4つの階層があるように品質にも幅があり、格によって違う魅力を感じることができます。

 

ぜひ機会があれば、プルミエクリュやグランクリュのシャブリも飲んでみてください。

 

料理との相性も和食、洋食問わず幅広くマッチします。

 

また、今後地球温暖化の影響でブドウの成熟度がこれまで以上に増し、より懐の深い魅力的な産地になることは間違いありません。

 

 

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