最終更新日:2021/01/14
「ブルゴーニュのワインって名前は聞いたことあるけど、どんな特徴があるの?」
意外と知らない人が多いブルゴーニュワイン。
ブルゴーニュとはフランスにある産地の名前であり、ブルゴーニュ産のワインは世界中のワイン愛好家の垂涎の的です。
この記事では、ブルゴーニュワインとはどんなワインなのか、産地や味わいの特徴について説明します。
フランス北東部にブルゴーニュワインの産地はあります(地図の赤いエリア)。
上の地図の赤いエリアはさらに次の5つの生産地区に分けられます。
「Chablis (シャブリ地区)」「Côte d’Or(コート・ドール地区)」「Côte Chalonnaise(コート・シャロネーズ地区)」「Mâconnais(マコネ地区)」「Beaujolais(ボージョレ地区)」
特に、コート・ドール地区のワインの品質は世界最高峰です。
コート・ドール地区はさらに「Côte de Nuits(コート・ド・ニュイ地区)」「Côte de Beaune(コート・ド・ボーヌ地区)」の2つに分けられ、コート・ド・ニュイの赤ワイン(ロマネ・コンティなど)、コート・ド・ボーヌの白ワイン(モンラッシェなど)が特に有名です。
ブルゴーニュ地方の気候は基本的に冷涼で、夏は暑く、冬は寒い大陸性気候です。
天候被害が多いのもブルゴーニュの特徴です。
春は霜害、夏は雹、収穫期は雨。
特に霜や雹は収穫量や品質に大きく影響します。
ブルゴーニュのワインはボルドーのように複数のブドウ品種をブレンドすることはほとんどありません。
基本的に、白ワインは「シャルドネ」、赤ワインは「ピノ・ノワール」というブドウ品種100%です。
では、ブルゴーニュワインに使われるブドウ品種の特徴を見てみましょう。
Chardonnay(シャルドネ)
ブルゴーニュの主要白ブドウ品種です。コクのある辛口の白ワインを生みます。豊かな果実味ときれいな酸味のバランスが良く、総じてエレガントなのがブルゴーニュの特徴です。他の産地にはないミネラル感や繊細な印象があります。
Pinot Noir(ピノ・ノワール)
ブルゴーニュの主要黒ブドウ品種。華やかで繊細な味わいの赤ワインを生みます。赤いベリー系の果実味に豊かな酸味がエレガントに調和。穏やかな渋みとバランスの取れた重すぎない上品な飲み口が特徴です。
上記「シャルドネ」「ピノ・ノワール」の2品種で、ブルゴーニュ(ボージョレを除く)のブドウ栽培面積の約80%を占めています。
また、ブルゴーニュ地方で脇役的なブドウ品種として次の2品種も押さえておきましょう。
Gamay(ガメイ)
ブルゴーニュ地方南部の「Beaujolais(ボージョレ)地区」で主に栽培されています。ボージョレというと、「ボジョレーヌーボー」が第一に浮かびますが、「Morgon」など格上の村で造り手のこだわりの詰まった上質なボージョレも大変魅力的です。
Aligoté(アリゴテ)
シャルドネよりも軽やかでシャープな酸味とミネラルが特徴。ブルゴーニュの生産者が家飲み用途のカジュアルラインとして栽培している場合が多いです。マニアックなブドウ品種ですが、特に家庭料理に手軽に合わせるにはもってこいのブドウ品種です。
上で述べたようにブルゴーニュワインは単一のブドウ品種でワインを仕上げます。
単一品種でワインを仕上げるということは、複数品種をブレンドして味わいを調整できないため、ブドウの出来がストレートにワインに表れます。
さらに、シャルドネとピノ・ノワールは共にテロワールによって風味の印象を大きく変える繊細な味わいが特徴のブドウ品種です。
同じブルゴーニュ産のワインでも、村や畑によってブドウの品質や個性は大きく異なります。
また、同じ村や畑のワインでも、ヴィンテージ(ブドウの収穫年)による品質の差も大きく表れます。
そういった畑のテロワールやヴィンテージによる違いがワインに如実に表れるところが、ブルゴーニュの魅力であり難しいところでもあります。
このように、ブルゴーニュのワインはシャルドネ、ピノ・ノワールというブドウ品種の個性に加え、天候やテロワールが味を特徴づけています。
ブルゴーニュの魅力は、生産者の個性はもちろん、収穫年やテロワールによる違いを楽しむところに本当の魅力があります。
それゆえ、ワイン好きの探求心は尽きることがなく、世界中のファンを虜にしているのではないでしょうか。