最終更新日:2021/03/09
この記事では、グリューナー・ヴェルトリーナー (Grüner Veltliner)の特徴や生産地、料理との相性など知っているとより楽しめる情報を解説します。
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グリューナー・ヴェルトリーナーは、オーストリア原産の白ブドウ品種です。18世紀には栽培が確認されています。
グリューナー・ヴェルトリーナーは、トラミナー(Traminer)とオーストリア・ブルゲンラントにあるザンクト・ゲオルゲン(St. Georgen)で見つかった品種との自然交配で誕生したことが分かっています。
20世紀中期にはオーストリア広範で植えられるようになり、20世紀後半には世界的に知ら得るようになりました。
中生のブドウ品種で特に深いレス土壌を好み、乾燥を嫌います。
多収性のため、ブドウの質を保つためには収量制限が必要になります。
グリューナー・ヴェルトリーナーは多彩なスタイルも特徴の1つですが、下記のような爽やかでスッキリとしたワインが特に多く見られます。
緑の色味が表れやすい傾向があります。
・ライム、レモン、グレープフルーツ
・白胡椒、コリアンダー、山椒 ・ハーブ
・石灰、岩 ・白い花
フルーツはライムやカボスのようなグリーン系の柑橘が主体です。
フルーツに加え、白胡椒などのスパイスや石灰系の香りが清涼感を増幅させます。
・アルコール度数は低めで軽やか
・強い酸味
・ミネラリーで引き締まった余韻
ボディは弱めですが、強い酸味とミネラリーな味わいが力強い引き締まった印象を与えます。
グリューナー・ヴェルトリーナーは、原産地オーストリアやその周辺のチェコ、スロヴァキア、ハンガリーで多く栽培されています。
グリューナー・ヴェルトリーナーは、オーストリアで最も多く栽培されているブドウ品種で全体の栽培比率の約3割を占めています。
オーストリア国内では、特に東北部のニーダーエスタライヒ州とブルゲンラント州北部で積極的に栽培されています。
ワインのスタイルは多様です。フレッシュでサッパリした早飲みタイプもあれば、厳しく収量制限をした凝縮度が高く熟成力のあるタイプ、遅積みの甘口タイプもあります。
すっきりとして清涼感のあるグリューナー・ヴェルトリーナーには、軽やかな前菜系料理がおすすめです。
魚介のサラダやカルパッチョ、刺身のような生魚にも合わせられます。特にハーブやわさびなどグリーン系のアクセントを効かせるとより調和します。
また、唐揚げや天ぷら、フライのような揚げ物にもパリッとした酸味が調和します。
香りが強い品種ではなくクセもないため、幅広く料理に合わせられるブドウ品種です。
参考
・日本ソムリエ協会教本 2020
・Wine Grapes: A Complete Guide to 1,368 Vine Varieties, Including Their Origins and Flavours / Jancis Robinson
・Austrian Wine (https://www.austrianwine.jp/our-wine/rebsortenjpn/weissweinjpn/gruener-veltlinerweissgipfler)