最終更新日:2021/03/11
ワイン好きなあなたに「おすすめの本を一冊選んで」と言われたら、「世界のワイン図鑑」を選ぶでしょう。
ワイン初級者から上級者まで楽しめるワイン本です。
「World Atlas of Wine」という洋書の翻訳本です。
1971年に初版が出版されて以来、大改訂を重ねながらから本書で第7版を迎えます。
Contents
著者はワインライター界のボルドーとブルゴーニュとも言われる、ヒュー・ジョンソン氏とジャンシス・ロビンソン氏。
どちらもワインを勉強している人で知らない人はいないほど偉大で影響力のあるイギリスのワイン評論家です。
ヒュー・ジョンソン氏は、累計で1600万部以上の著書を売り上げており、数々の賞や勲章を得ています。
ジャンシス・ロビンソン氏は、世界最難関のワイン資格であるマスター・オブ・ワイン、それに様々な賞や勲章を持つ女性ワイン評論家で、彼女の著書は現在の一流ソムリエたちのバイブルとなっています。
そんな2人の評論家にとっても代名詞的存在の本書は、ワイン好きであればまさに必携の本ではないでしょうか。
「世界のワイン図鑑」の一番の魅力は、何と言ってもワイン産地の地図です。
世界中のあらゆるワイン産地(日本まで)の地図が等高線までをも表記して掲載されています。
もちろん地図だけでなく、たくさんのきれいな写真もありますよ。
しかも、電話帳ほどのサイズ感で迫力があります。
特にブルゴーニュ、ボルドーをはじめとする世界が誇る名醸地の地図には、畑の位置や地盤の構成まで細かく描かれています。
例えば、あなたがブルゴーニュの「Morey Saint Denis 1er cru Clos Sorbe」のワインを飲みながら、その畑がどこにあり、標高や斜面の傾斜度や方角までをも確認することができます。
ここまで調べるのは結構マニアックかもしれませんが(笑)、そのワインの産地について知ることはワインを学ぶ上で最も重要なことです。
何よりワインを飲む時間が何倍も楽しくなるに違いありません。
世界のワイン図鑑は、ただ産地の地図が掲載されたマニアックな本ではありません。
ワイン初級者にとっても勉強になるワインの基礎知識がしっかりと説明されています。
しかも、世界トップのワイン評論家が教えてくれます。
この基礎知識のページも写真やイラストなどのビジュアルが多いのが特徴で、内容自体もワイン上級者が勉強になるレベルまで記載されています。
ワインの基本の項目としては、歴史、ブドウ品種、テロワール、ワインの造り方、ワインの熟成、テイスティングなどなど。
さらっと流し読みするだけでも、どんなレベルの方でも必ず得るものはあります。
以上のように、ワインの基礎知識からワイン産地の地形までをも知れる情報量の多さはまさに辞書です。
特に世界のワイン産地のテロワールについてここまで細かく書かれた本は他にありません。
ワインの品質は、ブドウの質でほぼ決まります。
そして、ブドウの質は、そのブドウの育ったテロワールが最も大きく影響します。
つまり、ワインは産地のテロワールを知ることが最も大切なことなのです。
そういう意味では、ワイン産地のテロワールをどの本よりも知ることができる本書は、最も価値のあるワイン本と言うことができます。
ワイン好きな家庭に一冊!と言えるほどの名著です。