最終更新日:2019/01/24
「お酒は健康に良くないから控えて!」
ごもっともです。
でも、「お酒のない生活なんて・・・」とお考えのあなたにとってワインは大きな味方になってくれます。
ワインは適量であればむしろ健康維持に効果を発揮してくれるお酒なんです。
そこで、この記事ではワインの健康効果をご紹介します。
ワインの健康効果を理解すれば、ワインをもっと好きになりますよ!
Contents
ワインには殺菌作用があると言われています。
特に白ワインに殺菌作用が強く、生牡蠣を白ワインに2分間漬けるだけで細菌は死滅するようです。
この殺菌力は、サルモネラ、ビブリオなどの食中毒に関わる病原菌を含むほとんどの細菌に対して効果があることがわかっています。
なぜ白ワインの方が殺菌効果が高いのかと言うと、白ワインの方がpHが低く殺菌作用が強いからです。
ですので、白ワインよりもpHが高い赤ワインは殺菌力が劣るんです。
さらに言うと、同じ白ワインでもより酸味が強い白ワインの方がより効果が高いということになります。
生牡蠣と白ワインの組み合わせは王道と言われますが、それには味の相性以外の理由もあったんですね。
白ワインの殺菌効果の延長で、ピロリ菌に関しても効果があるとの報告もあります。
ピロリ菌は、胃炎、胃潰瘍、さらには胃ガンの原因となります。
つまり、白ワインは消化器系疾患の予防に大きな効果が期待できると言えます。
ワインには、カリウムが多く含まれています。
カリウムは、体内のナトリウムを排出する作用があると言われています。
ナトリウムは、人体にとって有害で、摂取し過ぎると高血圧を引き起こす恐れがあります。
お酒を飲むとつい塩辛いものを欲してしまいますが、ワインに含まれるカリウムが排出を促してくれます。
ちなみに、ワインのカリウム含有量はお酒の中でトップクラスです。
お酒のカリウム含有量一覧(100g当たり)
ワイン(赤) 110mg
ワイン(白・ロゼ) 60mg
紹興酒 55mg
梅酒 39mg
ビール 34mg
発泡酒 13mg
日本酒 5mg
ウイスキー 1mg
スピリッツ 0mg
ワインに多く含まれるカリウムは、痛風の予防にも効果があります。
痛風は、尿中の「尿酸」と呼ばれる物質がナトリウムと結合して結晶化し、それが関節に沈着することで発症します。
尿酸は尿のpHが低いほど溶けにくく、pHが高くなると尿に溶けやすくなります。
つまり、尿のpHが下がらないように調整することと、体内のナトリウムを排出することが、痛風の予防に繋がるということです。
カリウムは、尿のpHを調整する効果があるとされています。
また、上で述べたナトリウムの排出効果に加え、利尿作用もあります。
ワインには、尿酸を尿中に溶けた状態でスムーズに体外に排泄させる効果があると言えます。
あなたは、「フレンチパラドックス」という言葉をきいたことがありませんか?
通常、脂肪の摂取量が多いほど心臓病の発生率が高くなるにもかかわらず、脂肪摂取量トップクラスのフランス人の心臓病発生率が極めて低いという矛盾を表した言葉です。
現在までにそれに関する多くの論文が発表されていて、その結果、適度な赤ワインの摂取によって心臓病の発生率は低くなる傾向があると統計的に認められています。
その心臓病を抑える効果があるのが、赤ワインに含まれる縮合型タンニン(ポリフェノール類)とのこと。
この縮合型タンニンには強い抗酸化作用があり、それが私たちの体にさまざまな良い健康効果を及ぼしてくれることがわかっています。
心臓病の元となる動脈硬化は、「酸化LDL」が原因と言われています。
酸化LDLとは、LDL(悪玉コレステロール)が活性酸素などによって酸化したものです。
現在主流の考えでは、LDLそのままでは健康への害はあまりなく、酸化された「酸化LDL」こそ問題であるとされています。
ワインに含まれる縮合型タンニンの強い抗酸化力によって、酸化LDLの生成を防ぎ、それが心臓病予防に繋がっているのです。
縮合型タンニンの抗酸化作用は、ガンの予防にも効果があります。
ガン発生の一番の原因は、活性酸素であると言われています。
赤ワインに含まれる縮合型タンニンは、その活性酸素を消去する効果があることからガンの抑制に繋がっています。
ただし、「赤ワインを常飲すると、ガン発病のリスクが高まる」との見解もあり、現在も議論は分かれています。
近年の研究では、「赤ワインを一日にグラスで2~3杯飲むと、アルツハイマーの発症が25~60%抑制される」というデータが目立つとのこと。
アルツハイマー型認知症の原因は、脳内にアミロイドβと呼ばれるたんぱく質の一種が凝集し、それが脳の神経細胞を破壊することだと考えられています。
赤ワインの縮合型タンニンなどのポリフェノールが、アミロイドβの重合、凝集するのを阻害するとの説があります。
また、縮合型タンニンは血管を拡張して血流を増やす作用を持つとも言われ、それが脳細胞の活性化につながるとの報告もあります。
ブルーベリーが眼によいとよく聞きますが、それは中に含まれるアントシアニン類(ポリフェノールの一種)による効果と言われています。
そして、赤ワインにもアントシアニン類が含まれているため、眼精疲労の回復や視力向上の効果も期待できます。
人の老化は、大部分が細胞の老化によるものと考えられています。
細胞の老化は、やはり活性酸素が大きな原因です。
上で述べたように、赤ワインのポリフェノールが活性酸素を消去することによって細胞の老化を抑制することができます。
ちなみに、「リスベラトロール」という物質が長寿遺伝子を活性化するとして注目を浴びています。
赤ワインにもリスベラトロールが含まれているという話はあなとも聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、含有量はわずかで、長寿の効果を発揮するには1日に10本以上の赤ワインを飲むことが必要だそうで現実的ではありません(笑)
以上、ワインの健康効果についてご紹介してきました。
こうやって見ると赤ワインの方が健康効果が高いことがわかります。
その効果に影響する最も大きな要因は、赤ワインに含まれるポリフェノール。
上で見てきたように、日々の生活で増加する活性酸素は、人間の健康の一番の大敵で、ワインのポリフェノールはそれを消去してくれます。
ポリフェノール以外にも、ワインにはさまざまな健康効果があります。
ぜひ日常でワインを上手に摂取して、健康の維持に役立てましょう。
P.S.
ちなみに、本記事は、「科学者が書いたワインの秘密 身体にやさしいワイン学(清水健一著)」を参考文献に書きました。
より詳細が知りたいあなたは本書を読んでみてください。