最終更新日:2018/11/07
赤ワインは常温、シャンパンや白ワインは冷やす。
何となく常識でそう思っていませんか?
確かにそれは大方間違いではありません。
でも、ワインは微妙な温度の差で味が変わるんです。
赤ワインでも冷やし気味の方が美味しいワインもありますし、白ワインでも高めの方が良い場合もあります。
そこでこの記事では、温度によるワインの味の変化や各種ワインの適温について掘り下げます。
ワインの温度についての知識をつけて、ワインを最大限に美味しく楽しみましょう!
ワインは温度によって味の感じ方が変わります。
では、一体どのように変わるのでしょうか。
温度によって次のように香りや味わいは変化します。
温度が低いと香りは閉じ気味になり、温度が上がるにつれて香りのボリュームが増し、隠れていた香りの要素も加わり複雑になります。
温度が低いほど口中の刺激が強くなり、全体的に引き締まったタイトな印象になります。
一方、温度が上がるにつれてテンションは下がり、ふくよかなバランスとなります。
温度が低いほうが、酸味がよりシャープな印象になります。
温度が上がるにつれ、酸味が柔らかくなります。
温度が低いほうが強く感じられます。
つまり、温度が低いほど全体的なボリュームは引き締まり、温度が上がるにつれて全体的に緩んで広がってくるイメージです。
フレッシュ感を前面に出してアペリティフとして楽しむなら低い温度で。
ワインのポテンシャルを引き出してリッチでふくよかな果実味を楽しみたいなら温度は上げる。
このように、ワインを飲むときの状況や気分、ワインの格や質によって温度を変化させることで、一層美味しく楽しむことができます。
上で見てきたように、ワインは温度によって味わいのバランスが変化します。
つまり、ワインのタイプによって一番そのワインのポテンシャルを引き出せる温度帯があります。
そこで今度は、ワインの具体的な適温をタイプ別に見ていきましょう。
以下ご紹介するワインの適温の数字は、日本ソムリエ協会の教本を参照しています。
スタンダード: 6~8℃
プレステージ: 8~12℃
通常のスタンダードなものよりも熟成年数が長かったり、よりクオリティの高いシャンパンの場合は、やや温度を高めにすることで香りや味わいの深みや複雑さを一層感じることができます。
甘口: 6~8℃
辛口: 6~12℃
コクのある上級ワイン: 10~14℃
甘味の強いワインは冷やしたほうがバランスが良くなります。
一方で、辛口の白ワインで6~8℃の温度まで冷やす場合は、スッキリとフレッシュさを楽しみたい場合です。
飲み口が軽やかな辛口白ワインは10℃程度。
木樽のスモーキーな印象があったり、熟成年数の長いワインなどは14℃程度まで上げた方がよりワインの深みや複雑さを感じることができます。
軽めの赤ワイン: 12~14℃
ブルゴーニュ: 16~18℃
ローヌ: 16~20℃
ボルドー: 18~20℃
タンニンの穏やかな軽めのワインは、低い温度の方がバランスが良くなります。
一方で、タンニンの強いワインを冷やすと渋みが際立ってしまいバランスが崩れます。
また、カベルネ・ソーヴィニヨン種などのフルボディ寄りの赤ワインを楽しむ場合、温度が上がりすぎるとアルコールの印象が強くなり過ぎたり、香りや味わいが開き過ぎでバランスが悪くなります。
必ずしも赤ワインは常温でOKというわけではなく、特に温度の上がりすぎには注意しましょう。
辛口: 8~10℃
やや甘口: 6~8℃
アルコール度数が上がるにつれて温度を上げていくようなイメージです。
辛口であれば10℃程度が一番無難な温度です。
以上、ワインの適温をご紹介しましたが、これが必ずしも正解というわけではありません。
ワインの味わいは一括りに語ることはできません。
例えば、同じ産地やブドウ品種のワインでも銘柄やヴィンテージによって味わいの強さやバランスは異なります。
また、飲むときの気温や合わせる料理によっても味の感じ方は変わるでしょう。
ですので、いったん目安の温度で試してみて、飲んだ時の印象によってワインの温度を調整してみることをおすすめします。
例えば、ワインにもう少しふくよかさがほしいときや酸味や渋みが気になるときは温度を上げてみたり。
逆に、飲んだ時の印象がぼてっ緩みすぎていると感じたり、木樽などのフルーツ以外の香り印象が強すぎる場合は温度を下げると印象が変わります。
ぜひワインの温度にもこだわってみてください。